4. 社会人が本格的に大学院進学を決めた理由と入試準備について
\この記事はこんな人にオススメ!!/
働きながら大学院に通ってみたいと思っている人
学院入試がどういうものなのか気になる人
社会人として大学院入試を受けたいと考えているけれど、実体験の情報が少なく困っている方はいませんか。
私は、2021年に科目等履修生として大学院へ通っていました。
大学院で授業を受けるうちに正規学生として進学したいという気持ちが大きくなり、
社会人として大学院入試を受けることにしました。
私が大学院入試を受けようと思った時、
実際に受験生がどういったスケジュールで準備を進めていったのかなどの情報があまりなく、このまま準備をしていて大丈夫かなと不安になることがありました。
この記事では私が大学院入試の出願までに行なったことをまとめて記載しています。
大学院入試を受けられる方にとって少しでも参考になれば幸いです。
なぜ本格的に大学院へ進学してみようかと思ったのか
当時、大学院へ本格的に進学してみようと思った理由は3つあります。
- 科目等履修生として通ううちに他の授業も受けてみたくなったから
- 大学院での学びは自分の中の学習のイメージに合っていたから
- 今後のライフキャリアを考えて
❶の理由について
科目等履修生として通う中で自分の仕事に関する分野に関する授業を受けました。その中で、授業の内容を実務の中で直接的に活用することは難しいと思いましたが、社会的な背景や理論などは実務家であっても知っておいた方がいい!と実感することが多かったのでこのまま大学院で授業を受け続けたいと考えるようになりました。
また、科目等履修生の場合、1科目2単位で20,000円などお金がかかります。
私が通っていた大学院では、1年間で受講できる科目数(単位数)にも制限があったので、金銭的な面でも本格的に進学した方がいいのかな?という気持ちもありました。
❸の理由について
私の仕事に関する分野について学ぶ方法は、大学院に進学する以外に書籍を読む・ウェビナーに参加するといったことが考えられました。しかし、コンテンツが飽和しており、どれを選べばいいのか判断が難しい状況にあり、体系的にまとめられているものはほとんどありませんでした。
科目等履修生として通う中で、大学院進学は私の学習のキーワードである「信頼性の高い情報」×「体系的な学び」にマッチすると実感することができました。
また授業内のディスカッションを通じて、自分と異なる視点からの意見を聞くことができたり、異業界・異業種の方と交流することができたのはとても価値があることだと思いました。周りから刺激を受けて、私の学習や仕事をもっと頑張ろう!という気持ちも高まっていたので通学が大変でも行った方が良いと考えるようになりました。
❹の理由
今後の自分の人生を考えたら、時間が作れるのは20代の今しかないと思ったからです。
ここからは私のライフキャリアに関する内容になります。
当時20代後半の私にはそこそこ長く付き合っている人(現夫)はいましたが、結婚に関する話は全く出ていませんでした。
私の結婚願望がそこまでなかったので結婚に焦っているわけではありませんでした。
しかし、今後1人で生きていく可能性もあったので、現職で働いているだけではキャリアとして不安がありました。
もし別れたとして(確率的な話です)、
その後の自分が20代を振り返ったときに長年付き合ってた彼氏と別れた で終わったら嫌だけど、長年付き合った彼氏と別れたけど、学歴は多少あるな!と思えたらまだ気持ち的に救いようがあるかなと思ったので、大学院に行ってみてもいいのかなと考えていました(笑)
また、別れずに結婚することになったとしても、女性としてのライフキャリアを考えた際に自分はいずれかのタイミングで子供が欲しいと思うことが予想できました。
時短勤務するしないは置いておいても、子供ができたらどうしても優先せざる得ない場面が出てきそう、そうするとどうしても社会人としてキャリアが停滞してしまう時期が出てくるのではないか?と思うようになり大学院に行くとするとタイミング的に今がちょうどいいのかなと判断しました。
色々書いてはいますが、
最終的には行ってみたら何か変わるかな、楽しそうくらいの気持ちで進学を決めました
大学院入試に向けた出願準備
入試要項の確認
入試要項とは、大学院に出願するための情報(試験日・合格発表日・受験資格・出願書類・試験内容)が書かれたものです。
公開される時期は大学院にもよりますが、私が進学しようと考えてた学校は6月以降に入試要項がHP上で公開されていました。
入試スケジュールの確認
入試要項を確認したところ、試験はその年の10月・翌年2月・3月の3回実施予定となっていました。入学自体は年に1回、4月のみ入学できる形でした。(大学院によっては半期に1回入学できるところもあります)
大学院の各研究科の定員についても記載があり、当時はなるべく早く受けた方が合格率が高いのでは?と勝手に思っていた(真偽は不明)ので10月入試に向けて準備をすることにしました。
受験資格の確認
私が進学を考えていた大学院の修士課程では、一般入試(学生向け)と社会人向けでそれぞれ受験資格が設けられていました。
出願書類の確認
大学院によって必要なものは異なると思いますが、私の志望した大学院では下記に記載のあったものが必要となりました。
- 出願票(履歴書に近いもの)
- 大学卒業時の成績証明書
- 職務経歴書
- 研究計画書
- 推薦書
・・・など
出願票は、履歴書と大学院での研究テーマ、修了後の進路(博士課程に行くかどうか)などがまとまった書類となっていました。おそらく大学院入試の口述試験の際に先生方が見るものだったんじゃないかなと思っています。
大学卒業時の成績証明書はオンラインでの発行や郵送で手配する必要があり、場合によっては時間がかかるのでゆとりを持って対応することをおすすめします。
また大学卒業時の成績証明書が必要だと記載がありましたが、大学を卒業していないと大学院に進学できないわけではありません。私の志望していた大学院では個別に入学資格があるかどうか審査がされていたので要項をよく読む必要があります。(専攻課程ごとにレポート課題があり、追加で提出する形となっていました)
職務経歴書は、入社以降取り組んできた仕事の内容をそのまま書きました。推薦書は任意での提出で良いとのことだったので、私は提出していません。
履歴書の作成はキャリアの棚卸しにもなりました!
ただこの中で一番作成に時間がかかって大変だったのは
研究計画書なのでこのあと少し解説します
研究計画書の作成
研究計画書とは・どうやって書いたのか
研究計画書とはそもそもなんでしょうか?
河合塾KALSさんでは下記のように定義されています。
大学院入学後に行いたい研究内容と、その研究を行うための計画について、大学院・研究科側の所定の様式の従ってまとめたもの
https://www.kals.jp/graduate-sch/pln/#:~:text=研究計画書とは、「大学院入学後に行いたい,あると考えてください%E3%80%82
一般大学院は、学問的研究・教育を行う場所なので進学した場合に必ず研究がついてきます。
私が志望していた大学院は一般大学院だったので、研究計画書の提出が必要でした。
大学時代は理系の学部に進学したので、いちお研究は行いましたが研究室の先生が用意してくれたテーマからみんなで希望するものを選んで取り組んでいくという形でした
研究テーマやどのように研究を進めるのか一から検討するのは初めてだったので、書籍を購入し、どのように書けばいいのかを調査することにしました。(研究計画書の書き方を指導してくれる予備校的な存在もありましたが、お金がないので自力で作成することにしました)
参考までに私が実際に購入した書籍を掲載しておきます。
購入した理由
研究計画書の実例がたくさん掲載されているとのことだったので
実例に共通する部分を意識して書けば良いのかなと思い、
購入に至りました。
上記以外は特に書籍は購入せずに
各大学でHPに掲載している研究計画書の書き方を
参考にしました
研究計画書に書いたこと
私は以下の内容について記載しました(詳細は載せません)
- 志望理由
- 研究テーマの選定理由
- 先行研究
- 研究計画・方法
- 予想される研究成果
- 参考文献
ただ、今振り返ると❸〜❺はかなり内容が甘かったと思います。特に❹の研究手法は学んでいないと詳細に書くことはかなり難しいです。研究というものがどういうものなのかわからない社会人からすると、無理ゲーだと思ってます。
研究計画書の事例でもそこまで深く書かれてはいなかったので、おおまかに書けていればいいのかもしれません(大学院によって求められる精度は異なると思います)
先行研究の調べ方
参考までに先行研究の調べ方について触れます。
研究計画書を作成するには、まず研究分野を決める必要があります。(これは自分が興味のあることから決めてOKです!)
次にその分野の中で今までどういう研究がされてきたのかを整理し、自分はどういうことを研究したいのかを主張する必要があります。
先行研究と内容が被ってしまう=すでに誰かが取り組んでいる ということです。
研究は、新規性・オリジナリティ(その人ならではの視点)が大事になります。
ですので、先行研究の調査は重要です。おそらく大半の方が大学院入学後にも取り組むことになると思います。先行研究の調査の仕方は様々ありますので、参考までにいくつか記載しておきます。
プラットフォーム名 | URL |
J-STAGE(科学技術情報発信・流通総合システム)で調べる | https://www.jstage.jst.go.jp/browse/-char/ja |
CiNii(NII学術情報ナビゲータ)で調べる | https://cir.nii.ac.jp |
Google Scholar で調べる | https://scholar.google.co.jp/schhp?hl=ja |
図書館に行って学術誌・学会誌などを見る | 国立国会図書館や各県・市の図書館 |
政府統計などの資料を検索する | 調べると出てきますので、ググってみてください |
色々プラットフォームがあって違いがわからないかと思いますが、端的にいうと運営元や掲載内容が微妙に異なります。プラットフォームによって見れないものがあったりします。それぞれの詳細はここでは記載しないので、気になる方は各自調べて見てください。
大学院入学後にも、おそらく授業やゼミ・大学の図書館関連のコンテンツを通じて、このあたりのことは知る機会があるとは思います。
大学院の指導教員の先生及び所属するゼミを決める
作成した研究計画書の内容を元に、研究指導をどの先生から受けたいのか決める必要があります。(研究計画書作成の前の受験する研究科を決める時に決めてもOK)
大学院によっては院へ進学後に授業を受けながら研究指導をどの先生から受けるのか決めるということもありますが、一般大学院はおそらくほとんどが入学前に指導教員を決めると思われます。
出願する前に指導教員の先生から指導を受けられるかどうか直接連絡を取って確認するように指示がある大学院もありますので、応募要項に従って対応してください。
指導教員の先生の選び方は、大学院のHPから研究科に所属する先生一覧から自分の研究したいテーマに近い先生を選ぶといいと思います。
あと可能であれば、ここ2、3年の間に学会誌などに査読付き論文を投稿している先生を選ばれることをお勧めします。査読とは、その学問分野の専門家が論文内容を精読し、学会誌などへ掲載することが適切であるか判断する作業のことです。査読付き論文は、査読を通過した論文ということになります。
大学院の先生によって論文投稿に積極的な先生とそうではない先生がいます。直近でも論文投稿を行なっている先生であれば、研究の手法や論文の書き方などについて詳しく、学生の指導や相談にも乗ってくれる可能性が高いです(正直、先生の性格にもよりますが…)
実際、指導教員の先生によってゼミの進め方や研究に対するスタンスが全く異なるので、ゼミに入ってみないとわからないことは多いです。
科目等履修生として大学院へ行くと、ゼミの様子を伺うこともできます。
ただ、私の場合は指導教員の先生のゼミに所属している人はいなかったので情報を全く得ることができず、入学後に指導教員の選定を間違ったかなと感じることが多かったです。
個人的には所属人数が多いゼミの方が、指導のルーティーン・枠組みが決まっているので、きちんと指導を受けられるのかなと思ったりもしました。
あとゼミ生が複数人いると、相談し合えたりもするので励みになると思います。
一方で人数が多いと指導教員から指導を受けられる時間も少なくなるので
物足りないと感じる方もいると思います。不安な方は出願前に大学院主催の進学相談会などに参加されることをおすすめします。
出願を行う
私が受験した当時は郵送のみで出願が受付されていましたが、今はオンラインでの出願のみとなっているところも多いようです。期日までに書類を揃えて、試験の費用を振り込むなどの手順を踏む必要があります。
私の時は、出願が完了したら大学院側から出願完了の旨と試験の日時・場所などの連絡がメールで来ました。
出願までのスケジュール
院試に向けた出願準備のスケジュールは、ざっくり下記のような感じでした。
・研究計画書作成に取り掛かる
・指導教員へ志望する旨を連絡し、了承を得る
次回は口述試験に向けての準備と院試の様子についてまとめたいと思います。
またこの記事では詳しく触れませんでしたが、一般大学院と専門職大学院の違いについてはスタディサプリさんの公式ホームページにわかりやすくまとまっていました。参考までにリンクを掲載しますので気になる方は見てみてください
▼スタディサプリ公式ホームページ 専門職大学院ガイド